ハームリダクション(害の低減)とは?

      なぜ煙の出ない製品がたばこハームリダクションにとって重要なのか

      現在喫煙をしている成人喫煙者にとって、害を低減する最良の選択肢はたばことニコチンをすべて絶つことです。しかし、多くの成人喫煙者はたばこをやめません。

      今日、公衆衛生当局、医療従事者、規制当局など多くの関係者は、喫煙開始予防や禁煙促進戦略を補完するための新しい政策が必要であることを認識しています。その一例を挙げると、2014年に53人の著名な公衆衛生専門家が、世界保健機関(WHO)に宛てた1通の書簡があります。

      「たばこの害を低減した製品によって喫煙関連疾患の負荷が低減される可能性は非常に高く、こうした製品は21世紀最大のイノベーションの1つに数えられ、何億もの人々の命を救うことになるでしょう。」
      -- ニコチン科学および公衆衛生政策の専門家によるMargaret Chan宛ての書簡 

      ハームリダクションの方程式。 2013年11月19日の電子たばこサミットにおいて、Clive Batesの発表資料  より改変

      ハームリダクションの方程式

      ハームリダクションの方程式は、より良い選択肢、およびその選択肢を採用する割合の向上が公衆衛生にどのように役立つかを直感的に考える方法を提供します。

      成人喫煙者にとって、喫煙関連疾患のリスクを低減する最良の選択肢はたばことニコチンをすべて絶つことです。それでも、世界保健機関(WHO)によると , 予測可能な将来、世界中で10億人以上が喫煙を続けると推定されています。成人喫煙者にとって、たばこ葉を燃焼させないたばこ製品、またはニコチン含有製品に完全に切替えることは、紙巻たばこを吸い続けるよりも害のリスクが少ない可能性があるというコンセンサスが高まっています。

      煙の出ない代替品によって害を低減するためには、2つの基準を満たす必要があります。それは、紙巻たばこよりも大幅に有害性が低減されていると科学的に証明されていること、そしてて現在の成人喫煙者が完全に切替えられるよう、満足できるものであることです。

      喫煙を続ける代わりに害のリスクの低い選択肢を選ぶ成人喫煙者が増えるほど、社会全体への害を低減する効果が大きくなります。これがハームリダクションです。したがって、最終目標は、喫煙を継続するよりも害のリスクを大幅に低減する煙の出ない代替品を開発し、それらを紙巻たばこの喫煙を続ける成人喫煙者に受け入れてもらうことです。ただし未成年者、非喫煙者、または元喫煙者の興味を引かないような製品であるべきです。

      ハームリダクション

      ハームリダクションについて詳しく知る

      パトリック・ピカベット氏がハーム リダクションとは何かを説明する動画をご視聴ください。または、こちらからサイエンティフィック アップデートのハームリダクション号をダウンロードできます。

      燃やす代わりにたばこを加熱することで、有害性成分の発生が大幅に低減    

      紙巻たばこの温度は先端部で800℃を超えることがあり、 6,000種類以上もの化学物質を含んだ煙 が発生します。その内約100種類が有害および有害性成分(HPHCs)として公衆衛生当局に特定されています。これらの化学物質化学物質のほとんどは、たばこ葉を燃焼することで生成・放出されます。そのため、たばこ葉の燃焼を避けることで、HPHCs の生成が少なくなり、放出量もおさえられるでしょう。煙の出ない製品は、科学的な評価によって、それぞれこの低減を確認し測っていく必要があります。

      ほとんどの煙の出ない代替品には、ニコチンが含まれています。ニコチンには依存性(習慣性)があり、リスクがないわけではありません。たとえそうであっても、喫煙関連疾患の主な原因はニコチンではなく、たばこ葉を燃やすことによって大量に生成される有害および有害性成分(HPHCs)です。  これは、ニコチンを含み、たばこ葉を燃やさないと科学的に検証された製品が、たばこハームリダクションにおいて役割を果たすことができるということを意味します。

       

      たばこハームリダクションにおけるニコチンの役割とは?

      ニコチン, たばこの化合物としてよく知られ、味わいやその他の感覚的要素などに加えて喫煙する理由の1つになっています。ニコチンには依存性(習慣性)があり、リスクがないわけではありません。しかし、喫煙関連疾患の主な原因はニコチンではありません。喫煙を続ける人たちにとって、ニコチンを含む煙の出ない製品は、喫煙関連疾患を発症するリスクを減らす可能性があります。 ニコチンは喫煙する理由の1つであるため、ニコチンが含まれることで、成人喫煙者が煙の出ない製品に切替えることができます。

      当社の目標は、有害および有害性成分(HPHCs)を低減、または完全に排除された成人喫煙者に向けた代替品を開発することです。

       

      成人喫煙者による製品受容:たばこハームリダクションの鍵のひとつ

      主導的立場にいるたばこ政策の専門家たちは、ハームリダクションが成功するかどうかは、成人喫煙者が代替品を受け入れるかどうかによると認識しています。2007年、英国王立内科医協会は、次のように述べました。

      “ニコチン含有代替品は、紙巻たばこの代用品として喫煙者に受け入れられる必要があります…"

      1979年、Ernst Wynder博士はこう述べました。

      “したがって、研究においては、あらゆるたばこ関連疾患に関係する有害成分をできるだけ少なくし、同時に大部分の喫煙者に十分受け入れられる(製品)の開発に向けて力を注ぐべきです…”

      加熱式たばこを検証した結果、たばこ葉を 250 °C 以上に加熱すると、紙巻たばこの煙に含まれるニコチンと同量のニコチンが放出されることがわかりました。同時に、温度を十分に低く保つことで、たばこ葉を燃やさず、生成そして吸入させる有害および有害性成分(HPHCs)のレベルが大幅におさえられます。当社の研究では、加熱式たばこのエアロゾルから測定されたHPHCsレベルは、たばこ研究で使用される実験用標準紙巻たばこ(3R4F)の煙と比較して、平均して90~95%低減されていることを示しました。

      当社のニコチン塩製品(NSP)とMESH電子たばこ(MVS)はたばこ葉を含まず、代替方法でニコチンを提供します。たとえば、HPHCsではないグリセリンなどのエアロゾル形成剤です。

      これらの製品は、確かに、既存のたばこ規制の枠組みを補完し、公衆衛生上の便益をもたらすハームリダクションの全体的な戦略の一つになる可能性があります。近年、喫煙を継続した場合よりも健康への害のリスク低減しようと、紙巻たばこから電子たばこ、加熱式たばこ、経口たばこ製品などの煙の出ない代替品に切替える成人喫煙者が増えています。

      煙の出ない製品はリスクがないわけではなく、一般的に依存性(習慣性)のあるニコチンが含まれていますが、科学的に実証された煙の出ない代替品に完全に切替えることは、喫煙を続ける成人喫煙者にとってより良い選択になる可能性があります。それぞれの製品がリスクを低減する可能性は、製品ごとに科学的に検証する必要があります。

      A scientist in a lab coat and rubber gloves holds heated tobacco product.
      製品

      煙の出ない製品群

      当社のアプローチはさまざまな煙の出ない製品タイプを開発することにより、紙巻たばこの喫煙を続けるすべての成人喫煙者が、完全に切替えることのできる最適な代替品を見つけられるようにすることです。成人喫煙者に受け入れられるためには、味わいやその他の感覚的体験とともに、紙巻たばこと同等のニコチン摂取ができることが重要です。